前回からの続きになります
元会社員の主婦が独学でblenderを学び、失敗や紆余曲折を経て
2年半で収益化した方法についてお伝えしています
もし「元会社員の主婦が独学blender2年半で収益化した方法①」を読んでいない方は
そちらを先にお読みいただくとスムーズにご理解いただけるかと思います
前回までのお話
前回までの内容は
blender未経験から独学を開始し
ハイスペックPCや液タブを購入し本格的にblenderを学ぶ経緯についてお話しました
そして、PC購入などに高額な費用がかかったので
その分だけでも回収出来ないか?と収益化について考え、
VRChatとBOOTHと出会い収益化の可能性を見つける所までお伝えしました
当時の目標は「BOOTHで自作のVRChatアバターを販売すること」
この目標に向かって、
まずはアバターをVRChatに持っていく事に着手!
ここで初めてUnityと出会います
Unityへの第一歩:キャラクター制作とセーラームーン
VRChat用アバターはUnityという総合開発環境(プラットフォーム)でセットアップする必要があります
※Unityとは2Dや3Dのゲームなどを作ることができる総合開発環境(プラットフォーム)です
とはいえ、まずはアバター制作が先なのでblenderでキャラモデリングを開始しました
youtubeを参考にキャラモデリングを始める際
せっかくなら自分が作りたいキャラクターを作ってみよう!
そう思い、幼少期に大好きだった『美少女戦士セーラームーン』のセーラームーンを作ることにしました
- blenderでアバターを制作(サブスタでテクスチャも作る)
- UnityでVRChat用アバターとしてセットアップ
- VRChatに導入する
この3ステップでした
ここで、壁となったのが…
youtubeでVRChat用のアバターをセットアップするチュートリアル動画を見つけられなかった事でした
前回の記事でご紹介した2つの動画は
キャラモデリングやVRMモデルの制作方法については動画内で丁寧に教えてくれているので、
非常に参考になりますがVRChat用のアバターのセットアップについては触れてないので、
自分自身で調べる必要がありました
そこで、とてもお世話になったのがしぐにゃもブログ様のVRChat関係の記事です
Unityで揺れものをセットアップするあたりからVRMとVRChat用アバターでは操作が異なります
なので、UnityでのVRChat用アバターのセットアップについては
しぐにゃも様の記事を参考にUnityで設定してみて試行錯誤する
この繰り返しでした
チュートリアル動画が無い分時間は掛かりましたが
記事を読むことでUnityについての理解が深まりました
その後、長期間かかりましたがセーラームーンをUntiyに持っていくことに成功しました!
導入は成功しましたが、著作権の問題もあるので実際に使うことはせず
VRChatへのアバターアップロードの動作確認としてセーラームーンをアップロードしてみました
オリジナルアバター制作の試行錯誤:女子高生アバターの完成
苦労の末、セーラームーンをUnityへ持っていくことが出来たので
次はオリジナルの女子高生アバターを制作し、
BOOTHで販売することにしました!
ただ、当時は下記のようなことを知らずに突き進んでいたので
今考えるととんでも無いアバターを世に送り出していたなぁ…と反省
- VRChatでの推奨ポリゴン数無視
- アバターの基本姿勢(焦点距離の問題?できつめの上目遣い・肩がギュっとなっている…)を知らずに制作
※現在は初期アバターに修正を加えてあります
VRChatでは推奨されるポリゴン数があります
PC用は70,000ポリゴンまで(※推奨なので超過してもアップロードは出来ます)
Quest用は20,000ポリゴンまで
このポリゴン数をオーバーするアバターはデータが重すぎて
他者には別アバターとして表示される可能性があります
※気を付ける点はポリゴン数だけでは無いのですが参考までに
VRChatでのアバターの基本姿勢(何も設定しない場合)は
とても姿勢の良いモデルさんのような立ち姿勢なので
肩がギュッとなっている感じです
顔もパースの関係で?上目遣いがキツめなのでblenderの平行投影で可愛くても
透視投影で可愛くなければ、VRChat上でも可愛くない感じになります…
(参考までにBlenderでの焦点距離は45程度がVRChatに近いかなと思います)
VRChatには適切な設定やアバター制作段階で気を付けるべき項目がたくさんあり、
全てを網羅したようなアバターは本当にリスペクトです!!
VRChatが玄人向けという意味が少し分かった気がしました
ここで、VRChat用アバターを作る際に気をつけたい項目を
紹介して下さっている有難い記事を発見したのでご紹介します
エモート設定で表情が2重で発動してしまうトラブルにも見舞われパニックでした
その後、解決したもののUnityのアニメーターには苦戦させられました
↑表情が混ざって変な顔になっている状態
制作に関して改善すべき点は多々ありましたが、
試行錯誤の末、オリジナルの女子高生アバターを販売することを達成しました!
この時の嬉しさと達成感はひとしおでした!
反響ゼロから学んだこと:BOOTHでの失敗と次の挑戦
BOOTHにてオリジナルのVRChat用アバターの販売を達成したものの
実は恥ずかしながら、全っ然売れませんでした…
もちろん、X(当時のTwitter)にて販売開始の情報を発信しましたが
反響はほとんど無く…苦い経験となりました
この時に、
- なぜ反響がないのか?
- なぜアバターが全然売れないのか?
もっと深く考えるべきでした
今、思えば無名で技術レベルも作者の人間性も分からないような人が作ったアバターを初見で数千円も出して購入する人はなかなかいません
そんなことも知らずに、出品すれば売れると思っていた当時の私
非常に浅はかでした
それでもアバター制作が楽しくて、
初期アバター制作期間中も改善点がどんどん出てきていて
『次のアバターはここもあそこもここもあそこも…改善しよう!』
と、創作意欲満々でした
(初期アバターが全然売れていないのにw)
売れてないのに創作意欲のおかげでモチベが爆あがりだったので、
勢いそのままに2体目のVRChat用アバターを作り始めることにしました
2体目のアバター制作:新たな挑戦への意欲
初期アバターが売れていなくても
2体目アバターの創作意欲が湧いたのは
ひと通りVRChat用のアバターを制作してみて
かなりの改善点や改良点を発見したからでした
要は「次はもっと良いアバターが作り出せる!!」と思ったからです
また、「Modular Avatar(モジュラーアバター)」と言う
画期的なツールの存在が出てきたことも大きな要因です
『Modular Avatar』(以下、『MA』)は、Unity上のアバター改変支援ツールです
アバターに対応した衣装であれば、難しい設定を手動で行わなくても簡単に着せ替えが可能で、小物の出し入れなどギミックを組み込むこともできます
詳しい説明はこちらから
もう一つ重要な要因として
ヒグマのねぐら Bear's Den様が制作された
VRChat向けCustom Animator Controllersというツールの存在を知ったことです
VRChat向けCustom Animator Controllersは
VRChat用アバターには欠かせない表情変更やエモートの組み込みなど、Unityの知識がないと難しい設定のところを簡単にセットアップ出来るツールです
これを使うと、セットアップ時に起きがちなトラブルは一切なく、なんならトラブル発生時のリカバリーまで網羅してくれている神ツールです
これがなんとタダ!!
使わないなんてありえないです><
これを使えば、初期アバターには付けられなかった
数々の表情やエモートをセット出来、
初期アバターを超える充実したアバターを作れる!
そう思いました
ただ、初期アバターセットアップ時に先人の方々の記事を参考にさせて頂きながら
何日もかかって独学で設定したと言う経験は、
UnityのAnimator Controllerを理解する上でとても重要な時間ではありました
なので、Unityの理解を深めるために一度は自分自身でセットアップを試みることも重要かと思います
2体目アバターの制作内容は?
2体目アバターは花魁をテーマに制作したのですが
モデリングからリギング・スキニング、テクスチャ作成まで
比較的スムーズに進めました
2体目は花魁をイメージしたアバターを制作しました
初期アバターよりパワーアップさせたくて
- モジュラーアバターでアイテム出し入れ
- 表情変更も種類を増やし
- 体の調整シャイプキーをつけたり
- 裾がながめの着物に挑戦
- モデルの髪・服・肌などの色変更を組み込む
初期アバターでは出来なかった内容をたくさん盛り込み
結局、完成まで時間はかかりましたが出来た時には達成感と嬉しさに包まれました!
満を持して期待と自信満々にBOOTHに販売した訳ですが
実はこれまた売れませんでした…
BOOTHでの反省:自分の存在を知ってもらうために
2体目の花魁アバターには自信もあったので
売れないことに疑問が湧き始めました
ここでようやく「なぜ売れないのか?」考えることになります
(※前回は創作意欲爆発で売れる売れないを深く考えなかった)
そして、気づきます
…もしかして、私のBOOTHページは誰も見ていないのでは?
X(旧Twitter)で販売開始情報を一度は投稿していますが
膨大な投稿に流されて、誰も私の宣伝投稿など見ていません
もし、運よく見てくれたとしても
その中に新アバターを欲している人はもっと少ないはず
まずは自分を認知してもらえない限り、いないも同然!!
そう思い、自分の存在を周知するためにXの投稿頻度を増やしてみました
しかし、状況はイマイチ…
イベントへの挑戦:Vket出展と宣伝活動
状況が好転しない中、自分の作品を多くの人に見てもらうためにはどうすればいいのか?
その答えを探し、バーチャルマーケットという存在を知ります
VRChat上で行われるバーチャルマーケット(通称:Vket)は
メタバース上にある会場で、アバターなどの3Dアイテムやリアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いできる世界最大のVRイベントのこと
2018年より開催し、世界中から100万人を超す来場者を誇りギネス世界記録™も保持する、メタバースの先駆け的イベントです
一部引用:バーチャルマーケット
このVketへの出展という新しい挑戦をすることで
少しでも自分の創作物が認知されれば良いなと思い
参加申し込みをしました
このイベントは抽選でしたが、運よく当選のお知らせをいただき、
出展できる事になりました
出展スペース(当時は3,000円程度)を購入し3D作品を自由に配置してブースを完成させます
- 出展ブースと自身のBOOTHサイトとXを紐付けて宣伝しました
- 出展だけでなくXでの投稿も並行して続けていました
- Vket出展に合わせて新商品もBOOTHに出品しました
- 出展ブースにサンプルアバターを置き自由に試着してもらえるようにしました
X投稿について気づいたこと
ここで個人的な感想ですが、
Xでの投稿で、SubstancePainterでのテクスチャ制作の動画を投稿した時だけ
無名の私でもプチバズる傾向がありました
Xでは文字や画像が多く投稿されますが、
流れてくる膨大な情報の中で動画を投稿することは
多くの人の目に留まりやすいのかも知れないです
Vket出展でサンプルアバターを置く意味
今回、Vket出展においてサンプルアバターを置く意味について考えてみました
サンプルアバターを自由に試着してもらうということは
ユーザーからしたら、
「お試しで着てみたけど、それで満足したから購入しない」
こんなケースも出てくる恐れがあります
これを恐れて出し惜しみして良いのは名の知れた有名な作者であって
(※一般的に名が知られているという事は品質もある程度担保されているようなものなので)
私のような無名な作者が作ったアバターを出し惜しみしたところで
知ってもらうチャンスを失っているような気がするのです
アバターは無償で試着してもらい、もし気に入ったらアバターを購入、
またはそれに付随するアイテム(ブースで販売する前提で)を買って頂けるなら
それはそれでアリかなと!
そうなると、常時BOOTHに無料でアバターを置けば良いのでは?
と言う疑問が浮かびそうですが
BOOTHにはアバターを販売されているクリエーターの方々が多くいらっしゃいます
その方達も日々知識や技術を磨いて、
何ヶ月もかけて作ったアバターを販売されているので
その隣でアイテム販売目的で無料アバターを置くのもなんか違う気がして…
アイテム販売目的ならば
人気アバターのアイテムを作らせていただく販売方法もBOOTH内ではありますし
やっぱり本来は自分が苦労して試行錯誤して作ったアバターを
ユーザーの方々が使ってくださったら嬉しいという希望があるんだと思います
今回のVketイベントではサンプルアバターの作り方を知りたかったので
挑戦してみた!という経緯があります
ついに収益化達成:初めての商品が売れるまで
Xでの投稿頻度を増やし、
時にはSubstancePainterの投稿でプチバズり、
Vketのイベント期間中も投稿を続け
サンプルアバターで自作のアバターを知ってもらった結果
ついに、BOOTHでの商品が売れ、収益化に成功しました!!
3D制作を0から独学で始めた訳ですが
創作物に力を注ぐのはもちろんのこと、
それだけ追求しても早期に実を結ぶことは難しく、
認知や宣伝は同じくらい大事だと実感させられました
創作活動は集中できて楽しいですが、
誰かに自分を見つけてもらうのを待つのではなく
並行して発信していくこと
これをすることで収益化への近道が開けるのではないかと思います
まとめ
長い記事でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました
未経験から独学で3DCG(blender)を学び収益化するまでをお話しさせていただきましたが
結果的にblenderで収益化は簡単ではないですね…
勉強してすぐに身を結ぶ訳でもなく、
時間をどれだけ費やしてもできない自分との闘い(今もですが…)
やはり自分が好きだな、集中できるなと思うものを
コツコツと極めていくことが収益化への道なのかもしれません
そして、その活動を発信していくことも是非してみてください
収益化への道が近道になるかも知れません
もしblenderに興味があり、
どうやって収益化へ繋げていくために頑張ればいいのか?
迷っている方がいれば、少しでもこの記事が参考になれば幸いです
一緒に頑張りましょう!
ありがとうございました
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